理事長所信

2019年度 公益社団法人 いわき青年会議所
第15代理事長 馬上 順胤

● スローガン

「局面打開」~あらゆる機会に価値を見出せ~

 

 【はじめに】
公益社団法人いわき青年会議所(以下いわきJC)とは会員にとって、地域にとって、市民にとってどのような存在であるべきなのか。さらには、東日本大震災という未曽有の大災害を受けて8年が過ぎようとしている今、改めてどのような視点で存在していくべきなのか。
これまで偉大なる先輩達は、創立宣言文にある「ほかのどのまちにもない、たった一つの誇りを持てるいわきを創り上げたい。」という想いを実現するために、多くの市民を巻き込み惜しみなく汗と涙を流して素晴らしい運動を展開してきました。我々会員は、その歴史と事実だけを認識するのではなく、そこに込められた先輩達の想いと努力を理解した上で1年のスタートを切ることが大事だと考えます。会員一人ひとりが1年後の自分の成長した姿をリアルに想像し、その成長がどのような活動によってもたらされるのかを考えてスタートすることが大事です。
いわきJCを卒業して今もなお自分の地域で素晴らしい活動を行っている先輩達は、そうした努力と矜持でいわきJCという存在を地域に確立して来たからこそ我々会員は愛するいわきを明るく豊かにするための活動が行えているのです。
そして本年は節目である15周年を迎えます。この節目とはどのような年なのか。過去を振り返り、改めて検証することにより先の5年後、10年後、20年後を見据える1年だと私は考えます。組織に於いて、地域に於いて、今の局面がどのような状況なのかしっかり認識して打開するべき問題の一つひとつに真摯に向き合っていくことが重要です。

【意識変革による人財育成】
~あらゆる機会に価値を見出せ~
このスローガンは、私が2013年に入会してから本年に至るまでを振り返り、どのような考えと視点でJC活動を行ってきたのかを考えた時に出た一つの結論です。
JCに入会してくる人は必ずしも地域に溶け込んだ、自身の立ち位置を確立している人ばかりではありません。反対に、すでに地域に発展のために活動を行っている人もいます。
さらに、JCとは多様な職業、性別、価値観を受容したダイバーシティの実現に成功している組織です。そんな多種多様な若者が等しく成長するために、JCという組織はあらゆる「機会」を与えてくれます。
しかし、機会を与えられるだけで成長出来るわけではありません。その機会に秘められた「価値」を自ら模索し、知恵を使い努力して自分なりの答えを見出すことに、そしてその答えを見出すまでの過程にこそ成長があるのです。つまり全ては本人の覚悟次第なのです。
より良い社会変革を目的とする我々が、組織がもたらす成長の機会を見逃していては、これからの時代変化の機微を感じ取ることは出来ません。JCという学び舎に出会い入会出来たことも一つの機会と考えるならば、JCの目的や原理原則を理解し、多くの仲間との活動や会議の中での切磋琢磨を経て、あらゆる機会から価値を見出せる人財へと自己成長していくことが最も重要であると私は考えます。そして、多様なバックグラウンドを持つ優秀な人財によっていわきJCは組織としてさらに成熟し、そこから生まれる運動展開と、力強い広域発信によって市民の意識変革を促すことで地域が発展し、賛同する仲間を増やしていく持続可能な好循環が出来上がります。
まずはその機会に飛び込む勇気と、成長努力をする覚悟を持てる人財を増やし、いわき市に誕生したJCの長い歴史と、その想いを持って集結した先輩方の努力で紡がれた15年を、感謝で応えられる、更なる未来を見据えた組織へと成熟させて参ります。

【特長あるまちづくり】
我々の愛するいわき市は、古くから時代の潮流を敏感に感じ取り、政策の転換や市町村の合併により広大な自然や物産、産業遺構を有し、工業都市と観光都市としての側面を持った紛れもなく魅力ある街です。
また、その歴史の中で生まれた文化や郷土芸能という魅力は多く、その各地域を愛する市民によって大事に伝承されております。しかし、これらの魅力は存在するだけではなく、市内外に広く発信し、観光資源としていく事で多くの方々を市外から呼び込み、交流と意識共有を図ることで、さらに魅力溢れるいわき市への発展に繋がると考えております。
そのためには、市民の認識を共通なものとする活動も怠ってはなりません。真の文化となるまで、この特長をいわき市民の「当然」として自信を持った発信を行うことが重要です。
さらにいわき市は、国が新たに制定した「スポーツ基本法」に基づいた「スポーツ基本計画」策定を踏まえ、いわき市スポーツ推進基本計画に沿った様々な計画や取り組みが行われています。
他を慮る道徳心、グッドルーザーの精神を育む青少年健全育成、健康増進だけでなく世代間の交流とその先にある経済活性など、広域且つ多角的な魅力と可能性を秘めているスポーツですが、市民の誰もが気軽に楽しみ、実益を感じることが出来る生涯スポーツは特に推進するべきものであると考えます。
多くの市民を巻き込み、一人ひとりのQOL向上に資する運動を展開することは、いわきの魅力を取り入れた新たな運動として市内外に広く発信し意識共有の拡張を図ることで、やがては大きな経済の活性化に繋がるものだと考え、市民のスポーツに対する意識を醸成するとともに、経済発展に向けた中長期的なビジョンを描き、新たな価値を創造して参ります。

【子どもに魅せる大人の背中】
いわき市に於ける問題解決、魅力の創造と発信、人財育成を含めた「発展」をさせるのは全てが人であることは確かです。つまり、いわきに住まう目を輝かせた子どもたちがいわきの魅力であり、たからであることは紛れもありません。今を懸命に生きる子どもたちに対し我々は何をしてあげられるのか、どんな背中を魅せられるのかを常に意識する必要があります。
我々は、家庭内教育に意見するほどおこがましい団体ではありません。ましてや子育てを経験していない会員もいる中で、教育論を提言できるほど勝手な組織でもありません。
しかし、その反面、我々いわきJCの会員は誰よりもいわきを愛し、いわきの未来を憂い、次代を担う子どもたちが夢と希望を抱ける明るく豊かなまちを創造するために、教育のあるべき姿を常に模索し市民や関係機関と共有する活動を行っています。
次代を担う子どもたちがこのいわきの未来にワクワクしながら夢を描ける環境を創出し、持続していくためには、激変する社会に順応できる確かな教育を確立し、親や関係機関、団体が意識と情報を共有することが重要なのです。
そして、そのような運動を展開する我々の背中を魅せ、我々の運動に懸ける想いを同じ責任世代や、いわきの未来を担う子どもたちと共有し、時には涙し、時には笑い合い、未来を語り合える環境を持続的に創造していきたいと思っております。
我々が想う郷土愛を一人でも多くの子どもたちに継承していけるための機会を創出し、様々な困難にも価値を見出せる人財を育成することで、帰属意識と郷土愛を持った人財による自立したまちへと発展するのです。

【キャパシティーの拡張】
多くの先輩方から学びを得ながら受け継がれてきたバトンは今年で15周年を迎えます。常にいわきを豊かにするために進化し続けてきたこの組織は、会員個々の成長があって初めて確立されるものです。
そしてこれからも受け継いでいくこのいわきJCがこれから更に地域に根差し、必要不可欠な組織となっていくためには、会としての視野やキャパを広くしていく必要があります。
自地域の活動だけに満足するのではなく、全国にある695の青年会議所と、その中でも福島県内にある他の18青年会議所とより細やかな情報共有をし、常に学ぶ姿勢と成長する気概を持って交流を図っていかなければいわき青年会議所という組織は衰退の一途を辿ると私は考えます。
昨年いわき青年会議所は福島ブロック協議会に会長を輩出させて頂き、福島県内だけではなく全国の魅力的なメンバーと貴重な交流の機会を頂きました。そこから学ぶものは多く、県内18青年会議所からの多大な支援をも頂いた一年でありました。我々いわきJCのメンバーはそこに何を感じるのか。その一年から何を学んだのか。それらを惜しみなく会員の成長に繋げ、全力で地域と県内18青年会議所に恩返しさせて頂きたいと私は考えております。今年は、19の青年会議所会員と交流できる機会である「福島ブロック大会」がいわき市で開催されます。つまり、いわき市の素晴らしい魅力といわきJCの組織力を市外に発信できる絶好の機会が与えられているのです。これまで先輩が築いてきた組織力と昨年頂いた機会による成長をもって最大のおもてなしの場を創出し、今後の5年、10年の再スタートの意識醸成に繋げて参りたいと考えております。
住みやすい気候と地理を有し、飽くなき文化芸能を伝承された徳溢れる人財が形成するこのいわきを存分に発信するためには、市民はもちろん行政やいわきを愛する各諸団体と連携し、「ほかのどのまちにもない、たった一つの誇りを持てるいわき」を発信する機会を有効に活用していきます。

【地方創生の観点】
2014年に政府によって掲げられたこの政策は、本年ついに5年目となります。
地方創生の考え方や問題解決のための活動、運動は様々であり、いわきJCでもこれまで多くの運動を展開して参りました。しかし本年が5年目という節目の年に鑑み、組織の進む方向性を今一度考え直す必要があると考えます。
地方創生とは一言で言えば各地域の「活性化」だと私は考えます。地域市民の意識変革はもちろん、伝統文化や芸能の伝承と時代のニーズに沿った新たな魅力的文化の創造。何よりも次代を担う子どもたちの健全育成による郷土愛醸成といった、地方創生の実現には幅広い観点があります。
これらの観点から導き出される運動は、これまで歴史を紡いでこられた先輩方が統合以前から各地域で行ってきているのです。まさにJCとはそういった何年も何十年も先を見据えて先駆的に運動を展開している団体なのです。
その自負を携え、公助を当てにするのではなく、個性豊かな地域が自助、共助の意識を強く持って広域的な連携体制を構築し、合意力を持った自立をしていくことが最も重要であると考えます。
地方がフロンティアであるという視点で、田舎を都会にするのではなく、田舎は田舎の強みと良さをさらに醸成させていく持続可能な目標を掲げる事が必要なのです。
そのために、まずは、明るい豊かないわきの創造に寄与する運動を随時展開し続ける我々JCメンバーが、強い矜持を持って成長し、地域のオピニオンリーダーとなり、多くの市民を巻き込んでいく事が地方創生そのものなのであると私は考えます。

【持続可能ないわきへの進化】
JCが展開する運動とは常に地域の発展による明るい豊かな社会の実現に向けて、綿密な調査と多くの議論から生まれる計画によって行われております。
近年の社会情勢の変化は目まぐるしく、特にAIやIOTの進化は日課の効率化に貢献され、全ての人の暮らしを楽にする多大なる可能性を秘めた時代へと突入しているなか、JCの特性である単年度制により毎年運動方針も変化します。しかし、より良い社会変革を目的とする我々は、全体構想までも細かく変化させていてはただのイベント集団になってしまいます。そうならないためにも未来を見据えた中長期的なビジョンを示したグランドデザインを見直し、改訂していかなければなりません。では、我々が今後運動を展開していく上で何を意識し、組織として進化していくべきなのか、それは「SDGs」だと考えます。
2015年に国連サミットで採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」は17の目標の下に細分化した169のターゲットがあり、グローバル且つ長期的な目標です。
誰一人取り残されない世界を実現するために掲げられた世界共通の目標は、今では日本の企業でも意識的に取り組まれており、近い将来いわき市に於いても当然の目標となっていくと考えております。つまり我々JCは先駆的にこの目標を意識した取り組みを活発に行い、様々なパートナーシップを築くとともに、多くの市民を巻き込んで意識変革を行う事が重要です。更に我々は青年経済人としての視点も忘れることなく、ビジネスチャンスを得る事で持続可能な企業展開を可能とすることが出来るのです。
こうして、我々JCが様々な課題状況の悪化を防ぐシステムや困難な状況にある人たちが諦めずにチャレンジ出来るような環境を整え、多様性を重んじた中長期ビジョンを打ち出すことで単年度制であるデメリットを補い、単年度制のメリットで育成されるイノベーション人財による活気溢れた持続可能ないわきの創造を実現いたします。

【結びに】
メディアによって発信されている現在の日本、地方を揺るがす問題とは、最終結果であると考えます。その問題に行きつくまでの小さな問題の積み重ねがあって最終的にはこういう問題になっているというケースが多々あると認識しなければなりません。例えば人口減少問題はなぜ起こっているのか。超高齢化社会は?少子化問題は?様々ある問題に対して確固たる原因究明と答えは出ているのか。市民が合意する形で問題定義と打開策を導き出しているのか。その原因を追究するために一段一段掘り下げていけば必ずそこにも小さな問題が発生しています。その小さな問題を一つひとつ打開するだけの時間と余裕は行政にもなければ、その打開されるまでの時間を待つ余裕は市民にもありません。
我々の愛し暮らすいわきに於ける問題多き現状を鑑みれば、それは行政に任せっきりにするのではなく、我々自身が問題と真摯に向き合い、小さな問題解決に寄与できる運動を市民とともに展開していくことが重要なのです。
危機的状況を打開するためにあらゆる機会から価値を見出し、自身の成長をもって組織を強固なものとしていけば、JCに出来ないことは何もないと私は確信します。

●2019年度基本理念

心から地域を想える人財による活気に溢れた持続可能ないわきへの進化

●2019年度いわきJC基本方針

1.機会から価値を見出せる人財の育成
2.強い信念を伴う人財による組織強化
3.特長ある資源を活かしたいわきの創造
4.未来を見据えた次世代の育成
5.日本青年会議所との調和による連携構築

公益社団法人 いわき青年会議所 2019年度
第15代 理事長 馬上 順胤

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA