5月1日

 

先日、取材頂いた・・・・

日刊ゲンダイを郵送して頂きましたので・・・

記事の内容をご紹介します!!

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東京を中心とする関東一円の夕刊です。

発売日は、4月26日でした。

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福島県いわき市は、深刻な風評被害と雇用不安に襲われている。被災者の自立支援や物資配給などを行う

「いわき青年会議所」理事長の吉田憲一氏(39)に〝本音〟を聞いた。

本震から4日後。地元のNPO団体とともに復興活動に乗り出した。印刷所の倉庫を借り、活動拠点を設置。

被災者へのフォローを行政だけには任せておけなかった。

「世界各国や各地の青年会議所などから、約500㌧のあらゆる支援物資が届きました。布団だけで50㌧。

何枚ぐらいでしょうね。これだけの布団は見たことがないので、想像もつきません」

市内の避難所は初期段階で110カ所以上。行政とは別に民の力を結集して市内各所へ物資を届けた。

宮城や岩手などさらに北方面への中継地点としても機能した。

「1週間ほど前まで、私の携帯電話はいろんな問い合わせで鳴りっぱなしでしたが、その日の夕飯を届けることが先決。

約1カ月がたち、役割もひと段落。ようやく、メディアの取材にも対応できるようになりました」

その間、スポーツ選手や女優などから炊き出しの申し入れもあった。

「〈大鍋の用意はありますか〉といった連絡をいただいても、こちらがお膳立てする余裕はない。

お気持ちはありがたいのですが、正直、重荷になります。ボランティアはあくまで自己完結でお願いしたい」

著名人の〈頑張れ〉は、上から振ってくる言葉にしか聞こえない。

被災者になって初めて分かったが、被災者にもいろいろなタイプがいる。

「本当に申し訳なさそうに物資を探しに来る人もいれば、無料のスーパーに買い出しに来るような振る舞いの人もいる。

でも、本当に困っている人はまず、布団や肌着を手に取る。ひと目で分かります」

 

いわき市は、製造品出荷額1兆円超の東北最大の工業都市。15の工業団地があり、日産、アルプス電気、オカモト、

日本化成などの事業所や下請け会社などが立ち並ぶ。

「市の中心部は、福島第1原発から約40㌔離れていますが、〈放射線が怖い〉などと敬遠され、

人が寄り付かない。地震そのものより風評被害の方が深刻です」

 

吉田さんは「尼子タクシー」ほか、計3つのグループ会社を営む地元タクシー会社の専務取締役。

後継者として現場の指揮を任されている。

「震災当日から1日も休まずに稼動しています。営業車はLPガスで、幸いにもガソリン不足に悩まされることは

ありませんでした。でも実際、交通手段を失ったお客さんのために休むわけにはいきませんでした」

 

同市の面積は東京23区の約2倍。公共の交通インフラは乏しく、マイカーに頼っている。

「〈子供のところへ避難したいから〉といった市民を乗せて、関東へ何度も往復しました。採算が取れなくても、

動かし続けることが私たちの使命でした」

正社員は約150人。地震直後の出勤は10人ほどだったが、現在は完全に復旧した。自宅を失い、

親戚の家や避難所から通う社員もいるが、〈働いている方が気が紛れる〉と、励まし合う。

「廃業するわけにはいかない。でも、売り上げは半減。社員にはきちんと説明し、減給を理解してもらいました。

それでも、夜、飲みに繰り出す人が激減して運転代行業はメタメタ。アルバイトの雇用継続はできませんでした。

最近は東電の作業服を着た方々が飲みに出始めたようなので、徐々に盛り返せるかなと思っています」

 

飲食、観光、印刷、農漁業……。いずれも解雇や自宅待機が相次ぐ。就業人口16万人のうち、

最終的な失職者は3万人に上るという声もある。

 

「今夏を越せるか。経営者たちは悩んでいます。行政の融資を受けるかどうか、

返済のメドやアテのない中で決めかねている人も多い。その中で東電には、いわきにしっかりと拠点を構えて地元で雇用し、

最後まで責任を持って取り組んでほしい。復興には必要な存在だと思っています」

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